航海

人は生を与えられると共に広い海に落とされる。

その後、親に支えられながら、見様見真似で手足の動かし方を覚え、幼稚園・保育園では、人とコミュニケーションの取り方を覚える、

義務教育では、常識という波の乗り方を教え、波を乱す行為、超える行為は良くない事だと刷り込まれる。そして中学、高校、大学と、各々のタイミングで航海に出る事になる。

いざ航海すると、ただ波に揺られるだけの者、ある程度波に乗りのらりくらりと流れていく者、自分で目標を見つけ、波を超えながら泳ぎだす者など様々である。

波を乱す行為は良くないと教えられているため、波を超える者には障害が多い。波に押し返され、挫折する人も多い。常識という波を乗り越えながら、目標に対して泳ぎ続ける事は、身体的にも精神的にもかなりの負担がかかり、並大抵の事ではない。

超えた先で目標を見失い、遭難する事もあるだろう。

しかし、その波を超え続けた者だけが、自らの力で泳ぎ続けた者だけが、得られるものは計り知れない。

遭難してもいい、挫折してもいい、大切なのは泳ぎ続ける事だ。

泳ぎ続けていれば、人には見えないものが見え、目指すべき道が見える。

残念ながらこの日本では、常識の波に揺られている方が、障害は少なく生活はしやすい環境にできている。

しかし、少しでもそうでないと思うのであれば、波を超えてみるべきだ。

目標なんて無くてもいい、ただ波を超える事で、見えてくるものがあるはずである。